夕飯を作っていてふと見たら、窓の外が深い青色でした。
ずっと前、アメリカに住んでいたとき、夏の日の遅い午後、友だちと一緒に映画を観て、もうすっかり真っ暗だと思って映画館を出たら、意外にもまだ少し明るくて、その時の色もそんな色でした。私は友だちに、夜がくる手前のこの感じが好きなんだよと、拙い英語で話しました。それからしばらくして、今度はその友だちの家で映画を観ていたら、女性たちが遅い夕暮れにおしゃべりしながら歩いているシーンがあって、女性のひとりが、”I like this period of the day”と言うのです。友だちは私の方を見て、”Same as you!”と嬉しそうに言いました。テレビの画面には、深い青色の中に、黒いドレスの女性たちのシルエットがかろうじて見える、そんな美しい映像が映っていました。
それからずいぶん経ってから、その時間帯のことを、英語で”blue hour”、元々はフランス語で”I’heure blue”、と呼ぶのだと知りました。その時から、私の好きな時間帯には、名前と色が付きました。それはたしかに、青い時間です。深い、深い青。ベランダに出て、そのまま溶けてしまいたくなるような。
